2020年、新型コロナウイルス感染防止のため自粛生活を強いられた日本国内で、オンラインによるライブ配信をスタートさせた、ピアニスト・反田恭平氏をみなさんはご存知でしょうか?
<オフシャルホームページ>
コロナ禍で、多くの交響楽団が無料で無観客公演配信を行うことが多い中、反田氏は、あえて有料配信に踏み切りました。
「今、あらゆるフェーズにおいて、時代が大きく変わろうとしている。その瞬間を逃したくない」
テクノロジーの活用にも積極的な反田氏は、ニューノーマル時代における音楽鑑賞の在り方について真摯に向き合っています。
<参考記事>
「Hand in hand」の有料配信に踏み切ったとき、メディアや業界内部からの批判もたくさんあったとのこと。
無料配信であれば、自粛生活下の人々の気持ちを和らげる、ボランティア的活動として評価されたのかもしれませんが、有料としたことで「高貴なクラシック音楽を冒とくしている」という批判を生んだそうです。
けれど、2か月もすると、多くの批判がコロッと賛同に変わってしまいました。
時代は明らかに進んでいます。だったら時代に合わせて僕らも発信の仕方を変えていかなければならない。
デジタルネイティブに向けたクラシック音楽の提供方法をもっと真剣に考えなければならないはずです。
そういった点に関して、クラシック音楽業界、特に日本の業界は非常に遅れていると言わざるを得ません。逆に、だからこそ、おおいなる可能性を秘めているとも言えます。
演奏者自身も発信の仕方を問われています。
僕はメディアプラットフォームで、練習曲などのコンテンツの有料配信もしていますが、批判は覚悟の上です。これから活躍を志す音楽家は、自分自身で発信する術を身に着けなくてはならない時代に足を踏み入れているのではないかと思うんです。
このSDGsの時代に、クラシック音楽の世界は宣伝を「チラシ」に頼りすぎている。しかしDXが叫ばれる今、クラシック音楽業界もDX革命を起こすべきだろう。
反田氏は、クラシック音楽に特化したスマートフォンアプリの開発を行なっています。
今週どこの都市でどんなコンサートが催されるのかが一覧表示される仕組みを構築しアプリで予約し、QRコードをかざせばチケットレスで会場に入れる。また、AIによるリコメンド機能によって、個々人に合ったおすすめの演奏会を薦めてくれる機能も追加したいとのこと。
「反田恭平はクラシック業界の風雲児だ」と言われることもありますが、他の業界の人たちが当たり前にやっていることをやろうとしているだけであり、今、ショパンコンクールや「情熱大陸」のおかげでクラシック音楽が注目され、その想いはマス(大衆)に届こうとしている。
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“夢が叶う瞬間、待ち望んだその時間“というのは一瞬なのか、10秒間なのか、人それぞれに長さがあると思うのですが、僕にとってのその幸せな時間は40分間でした。
演奏を聴い下さった全ての皆さま、支えて下さった全ての関係者へ感謝を込めて「ありがとうございました」
6年、長かった… 反田恭平 pic.twitter.com/LhJjrVUD0t— 反田恭平 Kyohei Sorita (@kyohei0901) October 27, 2021
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